【Criteo】高度な機械学習とベクトルデータベース・テクノロジーで広告パフォーマンスを最適化
Criteo のリターゲティング・レコメンド・エンジンに新たに加わった「DeepKNN」を紹介。DeepKNN は高度なベクトルデータベースおよびディープラーニングのエンジンで、すでにCriteoの製品ラインの主要部分を支えている。
目次
DeepKNNとは?
DeepKNNは、「Deep Learning Representation for K-Nearest Neighbors Search(K近傍法検索のディープラーニング表現)」の略。 これは最先端のベクトルデータベースとディープラーニング技術を組み合わせたもので、 Criteoでは広告キャンペーンの大半でこのフレームワークを利用して優れた商品レコメンドや、消費者のエンゲージメント指標の向上を実現。
DeepKNNは、以下の2つの強力なテクノロジーを組み合わせたもの。
- ディープ・ニューラル・ネットワーク(Deep Neural Network):商品と消費者の行動に関するすべての情報を処理してベクトルのセットを構築し(下図1参照)。
- ベクトルデータベース(VectorDB):商品と消費者のベクトルが格納されており、クエリに最も類似した商品や消費者をリアルタイムで検索することができる(下図2aと2b参照)。
ベクトルDBにおける商品のインデックス化プロセス:ステップ1)利用可能なすべての非構造化商品情報(画像、テキスト、ユーザーアクティビティ)を取り込む。 ステップ2) ディープラーニングによってこれらの情報をベクトル表現に変換。 ステップ3)変換した情報をベクトルDBに格納する。
ベクトル表現の能力
すべての商品と消費者にベクトルを関連付けるのは、 特定の商品・サービスに最適な消費者を、より一層効果的に発見できるようにするため。 消費者と商品をベクトルとして表すことで、消費者と商品との親和性の概念を点間の距離として統合し、利用できる。 下図2aの右側に示すとおり、ベクトル空間では二次元平面上のさまざまな位置に消費者と商品が配置されている。 二次元空間に配置するという単純な行為によって、靴やファッション、テクノロジー、旅行など、類似する商品の潜在クラスタを定義することができる。 いったん消費者と商品が空間に配置されると、ベクトルデータベースで特定の消費者や商品の近傍(最も近い消費者ベクトル)を即座に見つけることができる。 このアプローチこそが、Criteoの商品レコメンドやオーディエンス製品の核となる。
DeepKNNがマーケティング・キャンペーンに役立つ4つの理由
DeepKNNは、次のような方法でキャンペーンの改善に役立つ。
- パーソナライズされた商品レコメンド:DeepKNN は、消費者の過去の行動や好みに基づいて、パーソナライズされた商品レコメンドを提供。 これがコンバージョン率の増加やキャンペーン全体のパフォーマンス向上を促す。 (下図2bを参照)
- より優れたオーディエンス構築:DeepKNNは、一見しただけでは明らかではない消費者行動のパターンや類似性を特定するのに役立つ。 行動のよく似た消費者をクラスタ化することで、より効果的なターゲティングが可能となり、エンゲージメントやコンバージョン率の向上を後押しする (下図2aを参照)
- データ取得の高速化:DeepKNNを利用すれば大規模なデータを高速で検索し、最も関連性の高い結果を素早く見つけることができる。 ほんの1ミリ秒が勝敗を分けるパフォーマンス広告においては、このことはリアルタイムの意思決定時に不可欠なアドバンテージをもたらす。
- 広告クリエイティブの改善:DeepKNNを利用して広告の内容を分析することで、ターゲット・オーディエンスの共感を引き出すパターンや類似性を特定することができる。 これにより、より効果的な広告クリエイティブを作成することができ、ひいてはより良い結果を導くことができる。
ベクトルDB検索を利用したオーディエンスの生成:ある特定の商品をスタート点としてベクトルDBで商品のベクトルを検索すると、最も近いユーザーのベクトルを取得し、関連するオーディエンスの一部として返す。
DeepKNNを利用したリターゲティング商品レコメンドの改善
リターゲティング・キャンペーンの成功には適切な商品レコメンドの提示が重要となるが、 Criteo リターゲティング向け商品レコメンド・ソリューションでは、毎秒数千のリクエストに対応できるよう、2段階のアーキテクチャを採用。 第一段階では、人気商品やトレンドの商品とともに、異なるアイテム間のさまざまな類似性を計測。そして第二段階で、消費者の好みに関する最新の情報をもとに、最適な商品を再度ランク付けし、最も関連性の高いバナー広告をリアルタイムに生成。
DeepKNN を商品レコメンドに組み込むことで、より洗練された方法で異なるアイテム間の類似性を計測することができる。これまで発見が難しかった人気商品やレアアイテム、新商品間の類似性を容易に検出できるようになり、消費者の興味・関心により一層合った商品レコメンドを提示できるようになる。 DeepKNN のもうひとつの大きな利点は、すべての商品と消費者を同じ空間に配置することで、何億もの「消費者と商品の組み合わせ」をリアルタイムに検索し、消費者ごとに類似性の高い商品のリストをリアルタイムで常時更新できる。
ベクトルDBの検索を利用した商品レコメンド:消費者を起点にそのベクトルをベクトルDBで検索すると、最も近い商品のベクトルを取得して商品レコメンドを返す。
ベクトルデータベースとディープラーニングを利用したパフォーマンスの展望
OpenAI の ChatGPT や、あらゆるドキュメントをベクトルに変換可能な埋め込みAPIなど、AI機能へのプログラマティック・アクセスの出現にともない、ますます多くの企業がディープラーニングとベクトル検索の力を実感。 これらの傾向は、広告主が膨大なデータをより効果的に活用しはじめていることから、現代のデジタル・マーケティングにおけるベクトルデータベースの重要性を浮き彫りにしていると考えられる。
DeepKNN のようなベクトルデータベースは、広告主がディープラーニング・アルゴリズムと高度な類似検索、さらにクラスタリング技術を利用して、ショッピングの好みが類似した消費者クラスタを特定するのに役立つ。 つまり、従来のアーキテクチャよりも高速かつスケーラブルな検索システムによって、オーディエンスのターゲティングや関連性に優れた商品レコメンド、広告クリエイティブの改善が可能となる。
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